ななみ先生、どうして睡眠って必要なの?できれば寝ないで、遊んでいたいるん。


ねるるん、睡眠は、ただ体を休めるだけの時間ではありません。心も身体も元気にしてくれる、エネルギーの源なんです。その理由を、7つに分けてお話ししますね。
「やることがたくさんあって、寝ている時間が、もったいない。」
そんなふうに感じたことはありませんか?
日々の仕事、家事、家族との時間、自分の夢。
どれも大切で、削れるものはひとつもない。
だから「睡眠を削る」という選択をされている方が、とても多いです。
しかし睡眠は、ただ横になって体を休めているだけではありません。
それは、あなたの体と心を整える、ものすごく積極的な活動なんです。
どんなにキャリアがあっても、健康に気をつかっていても、睡眠を削ると、エネルギーも集中力も内側から失われてしまいます。
- 集中力が続かない。
- 記憶力が低下している。
- 感情に振り回されやすい。
こんな不調を感じていたら、もしかしたらそれは睡眠からのサインかもしれません。
そこで今回は、そもそも「睡眠は、なぜ必要なのか?」を、7つの理由に分けて、お伝えしていきます。
睡眠の大切さを、知っていただけたら嬉しいです。
脳の回復と記憶の定着
起きている間、私たちの脳はフル回転しています。
人と話す、考える、判断する、資料を読む、何かを決める。
そうした活動で、脳はたくさんの情報を処理し、どんどん疲れがが溜まっていきます。
そのまま眠らずにいたり、十分な睡眠時間が取れなかったり、眠りが浅いと、どうなるのでしょうか?
たとえば、パソコンやスマホを長時間使い続けていると、だんだん動作が重くなったり、突然フリーズしてしまうことがありますよね。

人間の脳もそれと同じように、フル稼働している分、しっかり回復させてあげないと、うまく働けなくなってしまいます。
睡眠によって脳は回復し、翌日の集中力や判断力が養われます。
さらに睡眠中に脳は、情報を整理し、大切な記憶をしっかり定着させています。
眠っている間、脳の中では必要な情報と不要な情報がふるい分けられ、まるで引き出しの中をきれいに整理するように整えているのです。
- 最近、物忘れが増えている。
- 仕事のミスや、うっかりが多くなった。
- 人や物の名前が、すぐに出てこない。
そんなときは、年齢やストレスのせいにする前に、まず十分な睡眠がとれているか見直してみてください。
体の修復と成長促進
日中に働き続けた体は、眠っている間に修復されます。
筋肉、内臓、肌、血管。
どこも休むことなく働いているからこそ、ダメージを受けた組織を修復するために、睡眠中のメンテナンスが必要です。
この修復作業を助けてくれるのが、「成長ホルモン」と呼ばれる体内物質です。
「成長」という名前がついていますが、子どもだけでなく、大人の体にも欠かせないホルモンです。
細胞の再生、骨や筋肉の強化、肌のハリやつや、そして疲労の回復に深く関わっています。

質の良い睡眠をしっかりとることは、あなたの体と肌を内側から整えてくれます。
体を動かすことが多い方や、スポーツをしている方には特に重要です。
- 朝起きても疲れが残っている。
- 顔色が冴えない。
- 最近、肌の乾燥やたるみが気になる。
そう感じることが増えてきたら、それは体からの「もう少し寝かせて」のサインかもしれません。
若々しい毎日を過ごす土台は、眠りの時間にあるのです。
免疫力を高める
風邪をひきやすくなったり、体調を崩しやすいと感じるとき、それは体の防御力、つまり免疫力が弱っているサインです。
免疫は、体に入ってきたウイルスや細菌を見つけて攻撃し、身体を守る働きをしています。
その免疫の働きを支えているのが、睡眠です。

カリフォルニア大学サンフランシスコ校のアリク・プラザー博士が行った研究では、風邪のウイルスを注入された被験者のうち、睡眠時間が7時間以上の人は感染率が18%だったのに対し、5時間以下の人は50%にまで上昇したという結果が出ています。
この結果からも分かるように、睡眠が不足すると免疫力が低下し、感染症にかかりやすくなるのです。
眠っている間、体は外からの侵入者に備え、静かに防御の準備を進めています。
こうした見えない働きが、健康を守る土台になっているのです。
感情の安定と精神的健康
寝不足の日に、いつもなら気にならないことにイライラしてしまったり、なんだか気持ちが沈んだ経験はありませんか?
それは気のせいではなく、睡眠不足により脳の中で、感情をコントロールする機能がうまく働いていない状態です。
感情のブレーキ役をしている扁桃体(へんとうたい)という脳の部分は、睡眠によって調整されています。

ところが、眠りが浅かったり睡眠時間が短いと、扁桃体の動きが不安定になり、ちょっとした刺激にも過剰に反応してしまうのです。
落ち込みやすくなったり、不安を引きずったり、人との関わりに疲れやすくなるといった心の揺らぎも、睡眠が深く関係しています。
感情が安定していると、自分らしく振る舞えたり、人にやさしくできたり、ものごとに前向きになれたりします。
そうした心の土台を支えているのが、実は毎晩の眠りなのです。
代謝と体重管理の調整
年齢を重ねるにつれて、こんな変化を感じていませんか?
- 体重が増えやすくなった。
- 甘いものが、やめられない。
- なかなか痩せられない。
こうした代謝の乱れにも、睡眠が深く関わっています。
睡眠が不足すると、食欲をコントロールしているホルモンのバランスが崩れます。
空腹を強く感じさせるホルモンが増え、満腹を感じさせるホルモンが減ってしまうのです。
その結果、必要以上に食べてしまったり、甘いものを欲したりといった行動が増え、体重管理が難しくなっていきます。

また、代謝を整えるために必要な成長ホルモンや体温調節のしくみも、睡眠中に整えられています。
眠りが浅かったり短かったりすると、体はエネルギーを燃やすモードに切り替わりにくくなります。
痩せようとして無理な食事制限や激しい運動を始める前に、まずは睡眠の質を高めて、代謝のリズムを整えることが大切です。
心臓と血管の健康維持
心臓は、私たちが意識していない間も、休むことなく働き続けている臓器です。
日中は血圧も心拍数も高く、全身に血液を送りながら、体のすみずみに酸素や栄養素を届けています。
そんな心臓にとって、睡眠中は唯一、負担を軽くできる時間です。
眠りに入ると血圧が下がり、心拍もゆるやかになっていきます。
もちろん心臓が止まるわけではありませんが、活動のペースが落ちることで、心臓や血管にかかる負荷がやわらぎます。
このように、働き続ける心臓が一定のリズムで力を抜ける時間があることで、血管のすり減りや、心筋への過剰なダメージを防ぎます。
それが結果的に、内側から体を整える回復の時間へとつながっていくのです。

一方で、睡眠が不足したり眠りが浅い状態が続くと、心臓や血管は緊張したまま休むことができず、高血圧や動脈硬化といったリスクが高まります。
その延長線上に、心筋梗塞や脳卒中のような命に関わる疾患のリスクもあります。
もしかしたら心臓は、静かに疲れているかもしれません。
だからこそ毎日の眠りは、命を守るために欠かせない時間なのです。
集中力とパフォーマンスの向上
集中力や判断力、注意力といった日常のパフォーマンスは、どれも脳の働きによって支えられています。
これらの機能を安定して発揮するためには、脳のエネルギー代謝や情報伝達がスムーズに行われている必要があります。
睡眠は、そうした脳の準備状態を整える役割を果たしています。
睡眠が足りていないと、脳のエネルギー効率が低下し、神経細胞の反応が鈍くなります。
その結果、情報の処理速度が落ちたり、注意が散漫になったりといった変化が起こります。
さらに、感情の反応をコントロールする前頭前野の活動も鈍くなるため、落ち着きや判断力にも影響が出てくるのです。

- 言葉がすっと出てこない。
- 同じミスを何度も繰り返してしまう。
- 人の話が頭に入っていかない。
そんなことが増えていると感じていたら、それは年齢のせいではなく、脳がうまく働く準備が整っていない状態かもしれません。
こうした変化は、寝不足の日にだけ起こる一時的なものではなく、慢性的に続くと、日中の作業効率や人間関係、ひいては自己評価にも影響を与えます。
日常の中で自分らしい力を発揮するためには、脳が万全の状態であることが欠かせません。
それを支えているのが、睡眠なのです。
まとめ
ここまでお話してきた7つの理由からもわかるように、睡眠は単に体を休める時間ではなく、心・体・思考のすべてを整え、日々の暮らしを支える土台です。
活動しているあいだのパフォーマンスや体調、気分の安定まで、そのどれもが眠りによって準備されています。
忙しい日々のなかでは、どうしても後回しにされやすい睡眠ですが、本当は「削るもの」ではなく、「自分を整えるための時間」として大切にしたいものです。
眠っている間にしか起きない働きがあり、眠っているからこそ守られる健康があります。
日々をいきいきと過ごすために、あなたの眠りを大切にしてくださいね。
睡眠って、ぼくが思ってたより、ずっと大事だったるん。


人生の約1/3は、眠って過ごします。睡眠の質を高めることは、人生の質を高めることにつながりますよ。
だけど・・・、ぐっすり眠れない。
そんな熟睡できない悩みがあるときは、ひとりで抱えこまず、相談してみませんか?
話してみるだけでも、楽になれるかもしれません。
お気軽に、ご利用ください。